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-参考にしてください-
◇ グラウンディング
グラウンディング(Grounding)とは、「強い不安・恐怖・フラッシュバックなどで心が“過去”や“頭の中の考え”に引き込まれてしまったときに、“今ここ”に意識を戻す技法」です。

1. 五感を使う方法 声に出しても心の中でもOK。ゆっくり進めます。
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5つ:今「見える」ものを5個あげる 例:「机」「時計」「窓」「カレンダー」「光の反射」
4つ:今「触れて感じる」ものを4個 例:椅子の感触、床に足がついている感覚
3つ:今「聞こえる」音を3個 例:「エアコンの音」「外の車の音」「自分の呼吸音」
2つ:今「におう」ものを2個(なければ“好きな香りの想像”でもOK)
1つ:今「味わう」または呼吸を1つ(口の中の味・水の味/呼吸の出入りの感覚)

2. 呼吸+数を数える
・ゆっくり鼻から息を吸い、口から吐きながら
・「1…2…3…」と心の中で数える
・数字に集中してみる

3. 言葉で確認する
「私はここにいる」
「これは過去の出来事ではない、今ここで起きていることだ」と自分に言い聞かせる

4.効果
・フラッシュバックや反芻で苦しいときの「気持ちのアンカー(錨)」になる
・不安や怒りが高ぶりすぎたときに、クールダウンする助けになる
・PTSDや不安症の支援でもよく用いられています
→「不安が強まったとき」「孤独を感じたとき」に、まずグラウンディングで気持ちを落ち着けることが有効だと思います。
→苦しいときに「今ここに戻る」習慣をつけていくと、不安や怒りのコントロールが少しずつしやすくなります。



◇ セルフ・コンパッション(Self-Compassion) ~自分に対する思いやり~

心理学者 Kristin Neff (クリスティン・ネフ)が提唱した概念で、「自分に対して優しく思いやりを持つ態度」 のことです。落ち込んだり失敗したりしたとき、多くの人は「なんでできないんだ」「情けない」と自分を責めがちです。
セルフ・コンパッションはその逆で、友人や大切な人に向けるのと同じ優しさを、自分自身にも向けることを目指します。

1.セルフ・コンパッションの3つの柱
・自己への優しさ
 自分を責めず、優しい言葉をかける
 例:「失敗したけど、よく頑張った」
・共通の人間性
 苦しみは誰にでもあると理解する
 例:「私だけじゃない。誰でも間違える」
・マインドフルネス
 今の気持ちをそのまま認める
 例:「私は今、不安を感じている。それをそのまま見てみよう」

2.練習方法
① 手を胸に当てて深呼吸しながら、自分に声をかける
 例:「大丈夫、よくやっているよ」
② 辛いとき、「これは人間なら誰でも経験すること」と思い出す
③ 1日1回、自分を労う言葉をノートに書く
 例:「今日は頑張って仕事に行けた」「小さなことでもよくやった」
→ 苦しいときに自分を責めるのではなく、まず「優しさを向ける」ことから始めましょう。



◇ 不安への対処法とアファメーション
1. 横隔膜呼吸 + アファメーション
・ 方法
鼻から4秒息を吸い、下腹を膨らませる(横隔膜を使う)
口から6秒以上かけて細く長く息を吐く
吐きながら「今、ここにいて大丈夫」「気持ちは落ち着いている」と心の中で繰り返す
3〜5分続ける
・ ポイント:副交感神経を優位にしつつ、認知の上書き効果も狙える

2. スモール・エクスポージャー法(安全な段階的曝露)
・ 不安と闘うより「安全感を拡げていく」方法。
例:飲み会前の練習
 トイレ付きのカフェで1人で10分過ごす
 トイレが少し遠い公園のベンチで5分静かに過ごす
例:短い会話の練習
 レジで「袋いります/いりません」と伝える
 同僚やクラスメートに「今日は寒いですね」と一言話しかける
 カフェで店員におすすめを尋ねる
・ 効果:「あ、大丈夫だった」という経験を脳に刻むことで、当日の安心感につながる

3. 身体と対話するマインドフルネス
・ 症状を否定せず、「今ある感覚」に注意を向けることで身体の過敏反応を和らげる方法。
・ 手順
頭に手を当てて「不安に思ってるな」「緊張しているな」に名前をつける
それに対して「わかってるよ、でも一緒にいよう」と受容的な対話を行う
・ 効果:不安感やドキドキ等の身体反応が穏やかになることが

○アファメーション(Affirmation)とは?
・ 「肯定的な言葉を使って、自分自身に働きかける心理的な技法」です。
日本語では「自己肯定の言葉」「肯定的自己暗示」などと訳されることがあります。

・ 目的は?
アファメーションの目的は、以下のような思考のパターンを変えることです。
否定的な思い込み(例:「私はダメだ」「またお腹が痛くなるかも」)
過度の不安や自己批判
自動思考(ネガティブな内的独り言)

・ たとえばどんな言葉?
状況や目的によって変わりますが、例を挙げると
 不安があるとき
 「私は安心できる場所にいる」
 「体調が気になるけど、私はコントロールできる」
 「どんなことが起きても、私は冷静に対応できる」
自信をつけたいとき
 「私は価値のある人間だ」
 「私には乗り越える力がある」
 「できることを、できる範囲でやればいい」

・ なぜ効果があるの?
脳は繰り返しの言葉に影響を受けやすい(プライミング効果)
潜在的な思考のクセを書き換える(認知行動療法にも通じる)
自己対話の質を高め、不安に距離をとる(メタ認知的アプローチ)

・どう使えばいいの?
朝や寝る前に、鏡の前で言う
呼吸法と組み合わせて心の中で唱える
日記に書いて自分に読み聞かせる